Godotで作るシミュレーションゲームのデータ構造

Gobot

Godot製シミュレーションゲーム:肉類データ構造と実装

このドキュメントでは、Godot Engine を用いて開発するシミュレーションゲームにおける、牛肉、豚肉、鶏肉、そしてジビエといった肉類に関するデータ構造と、それらをゲーム内でどのように活用するかについて解説します。ゲームのリアリティと深みを増すための、構造化されたデータ管理を目指します。

肉類データ構造

各肉類は、その特性、用途、そしてゲーム内での価値を表現するための複数の属性を持つ必要があります。これらの属性は、ゲームの進行やプレイヤーの選択に影響を与える重要な要素となります。

共通属性

全ての肉類に共通する基本的な属性は以下の通りです。

  • id: (String) 各肉類を一意に識別するためのID。例: “beef_prime”, “pork_belly”, “chicken_thigh”, “venison_loin”
  • name: (String) ゲーム内で表示される肉類の名称。例: “最高級牛肉”, “豚バラ肉”, “鶏もも肉”, “鹿ロース肉”
  • description: (String) 肉類に関する説明文。ゲーム内の情報ウィンドウなどで表示されます。
  • base_price: (float) 基本的な価格。市場の状況などにより変動します。
  • weight_per_unit: (float) 単位あたりの重さ。在庫管理や調理時の計算に使用します。
  • nutritional_value: (Dictionary) 栄養価を表す辞書。キーとして「カロリー」「タンパク質」「脂質」などを持ち、値として数値を格納します。
  • rarity: (int) 肉類の希少性。0 (一般的) から 5 (非常に希少) などのスケールで表します。
  • origin: (String) 肉類の産地。ゲーム内の地域や農場などを紐付けます。

個別属性

肉類の種類によって、さらに特有の属性が必要になります。

牛肉
  • grade: (String) 牛肉の格付け。例: “A5”, “BMS12″。価格や調理法に影響します。
  • cut: (String) 部位。例: “loin”, “rib”, “chuck”。調理適性や価格に影響します。
  • marbling_score: (float) サシの評価。高ければ高いほど高級とされます。
豚肉
  • breed: (String) 品種。例: “Kurobuta”, “Duroc”。風味や食感に影響します。
  • fat_percentage: (float) 脂肪の割合。調理法や風味に影響します。
  • skin_on: (bool) 皮付きかどうか。
鶏肉
  • type: (String) 鶏の種類。例: “broiler”, “jidori”。
  • part: (String) 部位。例: “breast”, “thigh”, “wing”。
  • bone_in: (bool) 骨付きかどうか。
ジビエ
  • animal_type: (String) 対象となる野生動物の種類。例: “venison” (鹿), “boar” (猪), “rabbit” (兎)。
  • seasonality: (Array) 狩猟可能な季節。例: [“autumn”, “winter”]。
  • flavor_profile: (Dictionary) 風味の特徴。例: {“gamey”: 0.8, “earthy”: 0.6}。
  • processing_state: (String) 処理状態。例: “whole_carcass”, “dressed”, “aged”。

データ管理とロード

これらの肉類データは、Godot のリソースシステムを活用して効率的に管理します。JSON や CSV 形式のファイルにデータを記述し、ゲーム起動時にスクリプトで読み込み、Dictionary や custom Resource としてメモリ上に保持します。

JSON 形式でのデータ例


{
  "beef_prime": {
    "id": "beef_prime",
    "name": "最高級牛肉",
    "description": "厳選された最高級の牛肉。",
    "base_price": 1500.0,
    "weight_per_unit": 0.1,
    "nutritional_value": {
      "calories": 250,
      "protein": 20,
      "fat": 18
    },
    "rarity": 4,
    "origin": "国内高級牧場",
    "grade": "A5",
    "cut": "loin",
    "marbling_score": 12.0
  },
  "venison_loin": {
    "id": "venison_loin",
    "name": "鹿ロース肉",
    "description": "新鮮で柔らかな鹿のロース肉。",
    "base_price": 800.0,
    "weight_per_unit": 0.08,
    "nutritional_value": {
      "calories": 150,
      "protein": 25,
      "fat": 5
    },
    "rarity": 3,
    "origin": "国産天然",
    "animal_type": "venison",
    "seasonality": ["autumn", "winter"],
    "flavor_profile": {
      "gamey": 0.8,
      "earthy": 0.6
    },
    "processing_state": "dressed"
  }
}

Resource ファイルへの変換

読み込んだ JSON データを、Godot の custom Resource として定義したクラスのインスタンスに変換することで、エディタ上での確認や、より型安全なデータアクセスが可能になります。


# MeatResource.gd (カスタムリソース)
extends Resource
class_name MeatResource

@export var id: String = ""
@export var name: String = ""
@export var description: String = ""
@export var base_price: float = 0.0
@export var weight_per_unit: float = 0.0
@export var nutritional_value: Dictionary = {}
@export var rarity: int = 0
@export var origin: String = ""

# 牛肉固有
@export var grade: String = ""
@export var cut: String = ""
@export var marbling_score: float = 0.0

# ジビエ固有
@export var animal_type: String = ""
@export var seasonality: Array[String] = []
@export var flavor_profile: Dictionary = {}
@export var processing_state: String = ""

func _init(data: Dictionary):
  id = data.get("id", "")
  name = data.get("name", "")
  description = data.get("description", "")
  base_price = data.get("base_price", 0.0)
  weight_per_unit = data.get("weight_per_unit", 0.0)
  nutritional_value = data.get("nutritional_value", {})
  rarity = data.get("rarity", 0)
  origin = data.get("origin", "")

  # 個別属性のロード
  if data.has("grade"):
    grade = data["grade"]
  if data.has("cut"):
    cut = data["cut"]
  if data.has("marbling_score"):
    marbling_score = data["marbling_score"]

  if data.has("animal_type"):
    animal_type = data["animal_type"]
  if data.has("seasonality"):
    seasonality = data["seasonality"]
  if data.has("flavor_profile"):
    flavor_profile = data["flavor_profile"]
  if data.has("processing_state"):
    processing_state = data["processing_state"]

# ゲーム開始時に実行されるスクリプト (例: main.gd)
func _ready():
  var meat_data = load("res://data/meats.json") # JSONファイルをロード
  var meats = {}
  for meat_id in meat_data:
    var meat_info = meat_data[meat_id]
    var meat_resource = MeatResource.new(meat_info)
    meats[meat_id] = meat_resource
  
  # meats ディクショナリに全肉類データが格納される

ゲーム内での活用

これらの肉類データは、ゲームの様々なシステムで活用されます。

1. 調理システム

プレイヤーは、入手した肉類とレシピを用いて調理を行います。調理結果は、肉類の品質、調理法、そしてプレイヤーのスキルによって変化します。

  • 品質維持: 調理中の温度や時間管理が不適切だと、肉類の品質が低下したり、栄養価が失われたりします。
  • 調理適性: 部位や脂肪の量によって、最適な調理法が異なります。例えば、脂身の多い豚バラ肉は煮込み料理に向いていますが、赤身の多い牛肉はステーキに適しています。
  • ジビエの特性: ジビエは、その独特な風味や食感を活かした調理法が求められます。下処理の重要性や、熟成による風味の変化なども考慮されます。

2. 市場と経済

肉類は、市場で販売したり購入したりする際の主要な商品となります。

  • 価格変動: 品種、産地、希少性、季節性、そして市場の需要と供給によって価格は変動します。
  • 需要と供給: 特定の料理が流行すると、その材料となる肉類の需要が高まり、価格が上昇します。
  • ジビエの期間限定販売: ジビエは、狩猟可能な季節にのみ入手可能となり、その時期に高値で取引される可能性があります。

3. 栄養と健康

プレイヤーキャラクターの健康状態や、食事によるバフ効果に影響します。

  • 栄養バランス: 様々な肉類をバランス良く摂取することで、キャラクターの健康状態を良好に保てます。
  • 特定栄養素のボーナス: 高タンパク質の肉類は、一時的な攻撃力アップやスタミナ回復速度向上などの効果をもたらすかもしれません。
  • 脂質の過剰摂取: 脂質の多い肉類を偏って摂取すると、健康状態が悪化するリスクも考慮されます。

4. 農業・畜産・狩猟シミュレーション

プレイヤーがこれらの活動を行う場合、肉類データは育成や収穫の目標となります。

  • 品種改良: 特定の肉質を持つ品種を育成するために、プレイヤーは種付けや環境整備を行います。
  • 狩猟の難易度: ジビエの種類や生息地によって、狩猟の難易度や必要な装備が変化します。
  • 季節イベント: 特定の季節にのみ入手できる希少な肉類は、プレイヤーにとって重要な収集要素となります。

まとめ

牛肉、豚肉、鶏肉、ジビエといった肉類データを構造化し、Godot のリソースシステムを活用することで、ゲームに深みとリアリティを持たせることができます。各肉類が持つ特性を詳細に定義し、それらを調理、市場、栄養、そして生産といった様々なゲームシステムと連動させることで、プレイヤーはより豊かで没入感のある体験を得られるでしょう。特にジビエのような特殊な食材は、その希少性や季節性を活かし、ゲームプレイにユニークな要素をもたらします。